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「後は選挙以外に変える方法はない」デモ以外の方法を問われて、小沢代表

2015年09月20日 13:24

小沢一郎代表・山本太郎代表 定例記者会見(2015年9月15日)

安保法案反対の国会デモについて


Q.

国会周辺での安保法案反対のデモが、国会内に影響を与えていますか。また、デモに参加する以外の方法についての考えをお伺いします。

小沢一郎 代表
A.

 影響していると思います。だけどこれっぽっちと言っては失礼になるけれども、やはりもっともっと高まりがないと、彼ら(政権)は本気に恐れることはない。私がデモを取り仕切っているわけではないから分からないが、こう散発的にあちこちでやったのでは効果がないと最初から言っています。
戦う場合は力を集中しないと。毎日毎日では参加する人も容易じゃない。いずれ疲れてしまう。そういう意味で何十か所かでやっているようだが、地方は多少別としても、東京のあちこちでやるよりも、数を限ってでも本当に多くの人が集まるようなやり方を、何でしないのかという気がしております。
 後進国での権力者との対決デモというのは別として、先進国でもやはり何か大きな問題があると、本当に大勢の市民が出るよね。その点、日本は、ブツクサブツクサ文句言っているけれども、なかなか行動に移さない。聞かれれば「反対だ」と言うけれども、それではなんで反対ならあんたら自民党支持しているの? 支持したっていいけれども、それなら今、あなたが投票した人に行って来いというぐらいの迫力ないと、国会議員、政府与党はとくに痛くも痒くもない話しになってしまいます。
 そういう意味で、もう少し選挙の公約にはっきりと打ち出していたものでないことをやろうとしたときは、市民の直接的な行動も必要となる場合があります。多分、今回はそうではないかというふうに思います。
 ですからデモする以外にも与野党を問わず、各政党、特に与党の人たち、遠くの人だったら、そこらで集会するよりも国会議員の家へ行ってやればいい。押しかけて行けばいい。それは有権者として当たり前です。公園で集まったってどうしようもない。それが直接的であるけど民主主義です。
 選挙の時に地元の議員がはっきりと「安保法案が必要だから、これを次の国会にかけて通します」と言っていたのなら別だが、それをひた隠しに隠しているわけでしょう。TPPだってそうです。「絶対反対」と自民党は言っていたが、選挙が終わったら、もうどんどん進めている。今、他の国が消極的でも日本が一生懸命やろうと言っているでしょう。
 こう嘘を吐いても日本人はまったく平気だし、それを咎めない。メディアもそう。だから権力者は何にも恐くない。そういう意味できちんと自分の主張はこうだと言うのならば、それに相応しい行動をもっともっと積極的に日本人は取るべきだと思います。
 それではどうするのだと。あとは選挙です。2009年総選挙から2014年選挙までにほぼ20%、2000万人の人が棄権しています。棄権ということは、「白紙一任」です。私は国民にそれをよく肝に銘じるべきと言っています。
 野党がまとまった受け皿でないと言っても、2000万の人が野党のどれか、小沢は気に入らないというなら誰か他に入れればいい。野党のどれかに入れて、2000万票が野党に入っていたら、あの議席数にはならない。もちろんドント方式だから大きいほうが有利ではあるが、棄権したのではもう何にもならない。これは白紙一任で文句言う資格ないのです。
 だから何するかと言えば、選挙の時、皆が行って自公ではない政党に入れればいい。それしか変える方法はない。我々は、そのときに票を投じやすいように野党は一枚岩となって国民に訴えるという責任は持っています。理屈の上では、投票をボイコットしていたのでは、サボっているのでは、もうダメと思います。 

山本太郎 代表
A.

 小沢代表が言われたことが全てだと思います。現在のデモが影響を与えているかというと少々与えているようです。例えば、採決する時の話し合いで、自民党谷垣さんが、日の高いうちにしてしまえと。日が落ちてからでは人が集まってきてしまうという旨の発言をしています。そういう部分では少々の影響を与えていると思います。
 小沢代表が言われた通り、頭数がやはり足りない。国会周辺では人がたまれる場所が少ない。バリケードが決壊して道路に出てきた沢山の人を航空写真で撮れたりしたことがありましたが、基本的に歩道も制限されていて、圧死しそうなぐらいの詰め込まれ具合になってしまう。
 何が原因かというと、日本には人が集まれる広場がないこと。新宿東口や渋谷ハチ公など人が集まれる広場は全て閉鎖されてきた。人がたくさん集まっている様子を撮れなくなってきている。明治公園もデモで使えなくなっている。市民が集まって声を上げている絵が撮りづらい部分が手伝っていると思います。
 今のデモ、声は聞こえてきます。議員会館にいて仕事に集中しづらいぐらい。思いは共有しているし、気持ちが分かるから「がんばれ」と思える。安保法案に賛成している人にとっては、非常にうっとうしいものだと思います。けれどもそれで止まるかと言えば止まらない。
 どうしてこういう状態になっているか。なぜこんな法案が無理やり通されるのかといったら、小沢代表が言われるように、選挙が関係しているのだろう。どうして選挙に行かないのか。それは政治に対する失望からです。しかし政治から離れれば離れるほど好き放題やられることが今具現化されたような状態にあると思います。今何ができるか。この法案を止めることが最大のピークになってしまえば、その後敗北感しか残らないかもしれない。段取りで考えれば、向こうの方が数多いのですから通ります。
 だからこれをピークに持ってくるのは間違いだと思います。ラッキーなことが重なれば、廃案ということがあるかもしれませんが、通常考えれば廃案はあり得ないわけです。政権交代をしていきながら内容を変えていきましょうというのが一番建設的です。そのために今できることは何ですかと言われたら、あなたの一票を何票に広げられますかということ以上でも以下でもない。それをやらなければ悪い方向により加速していく。

安保法案成立の辺野古移設問題への影響について

Q.

安保法案が成立した場合の辺野古移設問題への影響について見解をお伺いします。

小沢一郎 代表
A.

 安保法成立が普天間移設と辺野古埋め立てに直接からんで影響するものではないと思います。沖縄はやはり、環境問題はもちろんだが、地域住民の問題から安全性からいろんな意味で直接的な影響がある。だからこそ県知事も反対し、辺野古埋め立ての承認取り消しまでやろうとしているのだと思います。政府は大変難しい局面にあると思います。
 国会は、今日中央公聴会、明日地方公聴会がセットされてしまっている。まだ間に合うと全く言えないわけではないが、これをどうやって成立阻止するのかについて野党の具体的な意見の一致がないままでは、政府が強引に採決ということになれば、そうなってしまう。そういう状況になりつつあるかもしれない。
 いずれにしても私どもは、何としてもこれを阻止しなくてはならないという考えに変わりはありませんが、小さな所帯なものですから国会全体を動かすというところまでいかない。その意味で本当に歯がゆく、残念に思っているところです。

Q.

民意とのずれは仕方がないということですか。

小沢一郎 代表
A.

 民意がどの程度どうなるかということは、以前から言うように、安倍さんが総選挙の時にきちんとこれを掲げて、国民に訴えてやったということならまだしも、マニフェストの片隅に1行か2行書いてある程度で、具体的に選挙戦での議論として取り上げなかったわけです。先の総選挙で多数の議席を取ったからいいのだというのが政府与党の論理でしょう。選挙の時とその後の安保法案の進め方は、基本的な民主主義の瑕疵があると思います。後は民意がどう判断しどうするかということにかかっている。国会の状況は段々段々成立に向って押し込まれている感じがします。

玉城デニー 幹事長
A.

 安保法案と沖縄との関係ですが、今日の中央公聴会の参考人の意見にもありましたが、中国の軍事的脅威、力による現状変更が起こっている以上、米軍と一体となって取り組まないと自衛隊では太刀打ちできないとのご意見もありました。そうなってくると、なおのこと沖縄が要塞化してくることが確実です。
 海兵隊の半数を減らすことがアメリカの意向です。減らした海兵隊の代わりはどうするのか。当然、自衛隊の基地を米軍と共同使用する。つまり沖縄におけるグレーゾーンあるいは離党奪還を想定した訓練は、日米の共同訓練が増えていきます。この法案が成立するとなお確実になるだろうということがあり、これは沖縄県民も薄々感じていると思います。
 その一方、翁長知事が埋め立て承認の取り消しをしたのは、2013年1月に政府に手交した建白書の中に書いてあることです。それは普天間の閉鎖、返還と県内移設断念、つまり基地負担の軽減が端緒になっています。ネットの中では、辺野古への埋め立て承認を取り消すという発表をしたら、翁長知事は普天間の固定化を考えているのかという言説が飛び交っているように見えますが、決してそうではない。
 スタートは沖縄における基地負担の軽減です。それを実行するために埋め立て承認を取り消す。これ以上沖縄に基地を作らない。沖縄を軍事要塞化させないということを含めると、この法案と沖縄との関係というのは非常に近い。翁長知事の考えの中にもそのような一端があるのではないかと思います。

安倍首相の潘国連事務総長批判について


Q.

安倍首相は国連安保理常任理事国入りを目指しているところですが、先般潘基文国連事務総長が抗日勝利70周年記念式典に参列したことについて国会答弁の中で批判しました。この首相の批判についてどうお考えでしょうか。

小沢一郎 代表
A.

 ロシアで独ソ戦勝利のパレードが行われました。あの時も似たようなことが起きたのかな。建国何周年とか共産党政権何周年記念と言えば、別に何のことはない。抗日戦の勝利記念日となると、特定の国を指していることだから、私はあまりよろしくないと思います。やはり過去のことを公式の行事でずっと行っていくと過去を引きづってしまう。
 ただそれも日本政府がきちんとした歴史認識と過去の事実について謝罪すべきは謝罪し、その上での将来へのお互いのための連携ということをはっきりすれば、相手方の考え方、気持ちも違うのだろうけど、そういう意味で私はもし言う機会があれば、我々がやるべきことをやった上で、そういうことは言いたい。
国連事務総長が出席したということには賛否両論があるかもしれない。歴史的に戦争という事実はあったし、我が国の侵略行為もあったなどを考えると、100%けしからんと言うことはできない。やはり事務総長の判断でしょう。私はロシアについても中国についても、いつまでも特定の昔の敵の名前を冠しての記念式典をいつまでも続けるということは、あまり懸命なやり方ではないと思う。
 先日、ベトナムの建国70周年行事があり、私は参加しました。日本の敗戦と同時の建国なのですが、抗日どうのこうのというのは決して使っていなかった。お互いがきちんとした認識を持った上での将来に向けてのお互いの協力ということに重点を置いていくべきだと思います。
 常任理事国入りはまだまだ無理です。今の日本ではちょっと無理です。だから安倍さんは軍事大国になりたいのかもしれない。軍事力だけの問題ではない。世界の人々が日本という国をきちんと信頼できるようにならないと。国連への拠出金では、アメリカの次です。中国やロシアは文句ばかり言うけど、カネは出さないのだから。そこはきちんと言っていいと思うけど。おカネだけではなくて、日本にそれだけの信頼関係がまだまだ世界中にない。

岩手県議会における生活と民主による統一会派結成について


Q.

明後日から開会する岩手県議会に向けて生活系と民主党系の議員とで統一会派を作りました。民主党内に異論が強くかなり難航した上での決着と聞いています。これについての評価とこの動きが国政レベルの野党連携にどのように影響を与えるでしょうか。

小沢一郎 代表
A.

 何かしようとすると必ず何だかんだ言う人がいるのは仕方がない。政治の問題に結論を出す時に個人感情を交えては絶対大事はなせない。「自分を捨てる」「自分を殺す」そういう中で連携の輪が拡がり、大事業ができるようになる。きちんとした筋道で主張し行動するのは大変良いことだと思うけれども、そうでないつまらないことや経緯にとらわれて大事を忘れてはならない。
 大事とは何か。それは国民のためにより良い政治を我々が行わなければならないという使命と責任感。このことを常に肝に銘じて個人的な感情を捨て、大義につく。極めて常識的なことですけれども、そういうことが岩手県議会においては皆が理解して会派ができたのだろうと思います。
 これが中央にどうのこうのということは全くありません。中央でも理屈は同じことで、常識的にバラバラになっていたら(2009年から2014年の総選挙で)2000万の人が棄権していましたけれども、2000万人の人が仮に投票にきても今のバラバラでは、自民党が第1党を占めることに変わりはないことになってしまう。その意味では当たり前の子供でも分かる常識としてお互いに手をつないで力を合わせて国民の期待に応えるというごくごく常識的な判断を皆が共有できればいいのではないかと思います。


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